ADHDの子育てとケンカ

ADHDの息子の子育てで特に注意していたことの中に、ADHDの子どもの特徴の1つで友達とのコミュニケーションが苦手というのがあげられます。

息子は、人の気持ちを考えるのが苦手で、友達の話をさえぎってでも自分の話を始めてしまうのです。

当然、話を遮られた友達は良い気分がしません。「今、俺が話してるんだろう!」「俺の話を聞けよ!」と怒り出します。

振り返ってみると本人が1番大変だったのが、小学校高学年の頃だったような気がします。

息子は我慢するのが苦手だったため、小学校高学年の頃はクラスメイトと殴り合いのケンカをしたことが何度もあります。

当然、息子はケンカして来たことなど話しません。

親の私は小学校の担任の先生から電話がかかって来て、「今日は、こういうことでケンカになったから相手の親御さんに謝罪の電話を入れてください」と言われてケンカしたことを知るのです。

普通の親なら最初に「ケンカは絶対にしてはいけません」と注意しなければいけないところです。

私はまずケンカの理由と、先に手を出したのはどっちかを聞いて、息子が我慢できなかった理由が、「相手がみんなに息子のことを無視しろと命令した」とか、「ばい菌だから近寄るなと言って虐めてきたから」という理由だった時は、先生の電話を無視して謝罪の電話はしませんでした。

息子には我慢できないことを言われたり、虐められたらケンカは仕方ないけど、先に手を出した方が負けなんだと教えました。

小学校の担任の先生も新任の先生だと、先に文句を言ってきた父兄の言われた通りに、「ケンカの相手に電話で謝罪してください」と催促の連絡してしまうのです。

担任の先生の考えではケンカ両成敗でしたが、例えば暴力でクラスを仕切ろうとするタイプの子どもに「顔のニキビが気持ち悪いから近づいて来たので殴った」といわれた場合、反撃しないで殴られたままでいろということでしょうか?

集団いじめなどの理不尽な虐めは我慢する必要なんてないのです。

息子には「虐めは良くない」、「虐められたり、くやしかったら我慢していなくていい」、「殴られたら殴り返していいけど、ケンカをするからには負けるな」と教えました。

子どもたちに、お互いに「ごめんね」といって握手をしてケンカを終了させようとする学校側の事なかれ主義に納得できず、戦うことがしばしばありました。

子どもたちは、本心で反省している訳では無く、親に形だけの謝罪のセリフを言わされているだけです。当人同士が納得していなければ改善されません。

私は子ども同士が分かりあうためには、多少のケンカはしかたないのかと思っていたのですが、実際にはそうは上手くいきませんでした。

相手の子がボクシングを習っていたため、まったく歯が立たなくて、息子は脳震盪をおこして保健室に運ばれたくらいの惨敗だったようです。

ケンカで学校に呼び出されることは何度か有りましたが、息子は我慢することを少しずつ覚え、友達もできて、休むことなく学校に通い卒業することができました。

不登校になったのは中学生の時のある事件がきっかけでした。