ハチミツで危篤になりました

8月3日はハチミツの日だそうです。

私はハチミツで危篤になった経験があるので、新米ママさんたちが同じような辛い思いをしないように老婆心ながら書かせていただきます。

私が罹ったのは、乳児ボツリヌス症という病気です。1歳未満の乳児がボツリヌス菌芽胞を口から摂取することで発症し、蜂蜜を原因とする場合が多いとされます。

母から聞いた話なので少しあいまいですが、私が生後8か月頃の話です。仕事を再開しようと考えていた母は断乳を計画しました。丈夫な子に育って欲しいと思って、スプーン1杯のハチミツを与えたそうです。

最初はひどい便秘になり、ミルクをまったく飲まなくなって、泣き声が小さくなり、おかしいと思って病院に向かっている間に、みるみる顔が紫色に変色していったそうです。

タクシーで小児科には着いたが、とても込み合っていて直ぐに診てもらうことができず、診察は午後になると言われ、午後まで待っていたら死んでしまうと思って、郊外の病院に移動したそうです。

移動中に目に見えて私の容態が悪化していき、手足は力が入らなくなってだらんと垂れている状態になっていました。

幸運にも次の病院では急患で直ぐに診ていただくことができ、命が助かりました。その時、先生から「あと30分遅かったら危なかった」といわれたそうです。

乳児ボツリヌス症で死亡に至るケースはまれだそうです。1976年に米国で初めての症例が報告され、日本では86年に発生したそうなので、その18年前のことですので、私が日本で初めての死亡例になっていたかも知れません。

食品に含まれる毒素そのもので発症する一般的なボツリヌス食中毒とは異なるそうなので、成人した人がハチミツを食べてかかることは有りません。だから長年にわたって気が付かれない病気だったのではないでしょうか。

私が診て頂いたのは群馬県の郊外にある病院だったそうですが、赤ちゃんの容体を見て直ぐに急患で治療をしていただけたことと、乳児ボツリヌス症が知られていない時代に適切に処置していただける先生に出会えたのは、本当に運が良かったと思います。

今では厚生労働省から「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」という注意喚起が出ています。お母さんになったばかりの新米ママさんが、私の母のように知らないで「自分の子どもの命を奪いかねない不幸な事故」を起こさないことを願って書かせていただきました。