引きこもりの行方

厚生労働省推計では25万世帯の家庭に1人以上の引きこもりが居ると言われています。その人口の多さから日本の社会問題となりつつある「引きこもり」ですが、近い将来的には国の力では支えきれなくなるでしょう。

現在の引きこもりの家族を持つ親はバブル世代です。まだ妻は専業主婦が多かった世代なので、子どもが引きこもりになっても食事の提供や、子どもが働いていなくても食費に困ることは無かったでしょう。

しかし10年後には多くの世帯が定年年齢をむかえ、世帯所得もぐっと下がります。年金支給年齢も65歳に繰り下げになるので、働かない子どもを支え続けるのは難しくなります。平均所得400万円時代もやってきます。

仮に持ち家などで親の死後も住み続けられる家があれば良いのですが、親の死後は1人暮らしになります。「親が死んでも生活保護を受ければ働かなくても生活できる」という人もいます。

国の支援で25万人が生活保護を受けられたとしても、学生の頃からの長期の引きこもりの場合は社会性が乏しく、それまで親が食事を運んでくれて洗濯をしてくれていたのに、公共料金の支払いから買い物まで全部自分でやらなければならないのです。

一念発起して仕事をして自立しようと考えたとしても、それまでに仕事をした経験が無い人もいます。50代になってから初めて仕事を探すのは困難でしょう。引きこもりの人には、職場でのコミュニケーションの問題もあります。

両親が資産家で、駐車場経営やアパート経営などのかたちで不労所得を子どもに残せればベストです。しかし財産が残せないとしたら、今すぐに子どもの得意なことを見つけ始めましょう。

引きこもりでも、パソコンゲームなら集中して何時間でもやっていられるとか、いつ見ても何か文章を書いていたりしたらチャンスです。

以前の私なら、子どもが引きこもってパソコンばかりやっているのを見たら、ネット廃人になる、インターネットは体に害があると悩んだかも知れません。

極端な例ですが、息子さんが勉強をしないでインターネットゲームばかりしていると悩み、うつ病になったお母さんが、息子さんがゲームができないようにパソコンのコンセントプラグを切断した事例があります。

しかし、子どもは禁止すればするほど反抗して、親の目を盗み、何としてでもパソコンを続けようとするので逆効果です。親がお子さんを変えることはできません。親が変わるしかないのです。

もし、お子さんがSNSに夢中になっているなら、人脈を広げていると考えてみてください。インターネット対戦ゲームをしていたら、友達とコミュニケーションをとれることを褒めてあげてください。

今は、家から1歩も出なくても収入を得ることができる時代です。プロのブロガーやライター、アフィリエイターなどインターネットでお金を稼ぐ方法がいくらでもあります。

始めは少額でも、好きなことをやってお金が稼げたら必ず自信に繋がります。お母さんは、お子さんがやりたい感じていることを、そっと後押ししてあげてください。

将来を1番心配しているのは、引きこもっているお子さん本人です。このままではいけないと、ずっと考えているのです。お母さんは、愛情を持ってゆっくり見守っていてあげてください。