断れない症候群

社会人として働いていて、大人になってからアスペルガー症候群と診断された方も多くいらっしゃると思います。

対人関係が上手くいかない悩みの中にもう1つ気付いていただきたい事柄が有ります。それが「断れない症候群」です。アスペルガー症候群では無いけれど「断れない」のが悩みなんですという方もとても多くいます。

アスペルガー症候群の方の対人関係の悩みの特徴として、「空気を読むのが苦手」という点があると思います。日ごろ家族から「あなたはもっと人の気持ちを考えた方が良いわよ」などと言われ続けていると、友達から何か頼みごとをされた時などに「断ったら悪いんだ」と考えてしまいます。

とても残念なことに、あなたを利用しようとする悪いタイプの人間や、霊感商法、キャッチやナンパ師には、会ってものの2~3秒でこの「断れない症候群」を嗅ぎ分けることができます。

会社の中や、子どものお母さん友達などにも、あなたを利用してやろうと、つけ狙っている人間がたくさんいます。その人は、PTAの役員を無理やり押し付けようとしてきたり、金曜の夕方に自分の残業を押し付けてきたりします。

前回のブログで書いたナンパ師は、人間の「人から認められたい」という承認欲求と、「こんなに褒めてくれているのに素気無く断ったら悪いかな?」という善意の裏をついてきます。

PTAの役員決めの時に自分はやりたくないから「〇〇さんは、責任感のある人なので適任だと思います」などと推薦してくるママも、公の場で断ればみんなから嫌われるのでは無いかと不安になる「断れない性格」なのを利用しているのです。

同僚の残業などの「嫌だなと感じる仕事」は受けないのが1番です。人から利用されているのが分かっているのに、嫌な仕事を引き受け続けると、ストレスが蓄積してうつ病を発症する場合があります。

「人から嫌われる」のは怖いと思います。誰だってみんなから好かれて、信頼されたいです。でも、あなたが「嫌だな、引き受けたくないな」と感じる頼みごとを言ってくるのは悪いタイプの人間です。

断ったら嫌われるかもしれないけれども、あなたが嫌だと感じる頼みごとを言ってくる人は、あなたが断れない性格なのを知っていて、あなたを利用しようとしている人なんです。そんな頼みごとは引き受けなくても良いのです。

みんなから好かれなくても良いんです。悪いタイプの人間とは付き合わなくて良いんです。心が嫌だと感じたら、断る勇気を持ってください。