アダルトチルドレンは克服できるのか?

お母さんに会いたい

1歳になる前に育児放棄された私は、自慢じゃないけどバリバリのアダルトチルドレンでした。

育児放棄された私

未婚でまだ10代だった母は、赤ちゃんを産んだことを世間から隠して、同じくシングルマザーだった祖母に私を預けて家を出て行きました。

入籍した訳でもないので、子どもを産んだことを除けば見た目には若い可愛い女性です。水商売でひたすら頑張って自分のお店を持つまでになったようです。

愛着障害

母は、私が幼稚園頃までは月に1度くらい会いに来てくれたのですが、小学2年生頃になると電車に乗って片道1時間くらいかけて私が会いに行かないと会えなくなりました。

母は男の人と住んでいて、私はその人にあまり懐かなくて…大人の男性にあまり接したことが無かったのでどういう態度で接したら良いのかが分からなかったのです。

お父さんでもない人を「お父さん」と呼ぶことが出来ず、お土産を貰っても「ありがとう」も素直に言えないような、間違いなく可愛げのない子どもでした。

1人で電車に乗って苦労して母に会いに行っても、お昼ご飯が出る訳でもなく、2時間くらいすると「もう帰らせろ!」と言っているのが聞こえました。

1時間くらいかけて祖母の家まで帰る道すがら、子ども心に「男の人に母をとられたんだ」と思いました。

そして「どうやったら母に愛して貰えるのか」を考えましたが、分かりませんでした。

確かなのは「自分は捨てられた」と言う事実です。

愛されたくて、愛されたくて仕方が無くて、でもどうしてよいか分からなくて、母がたまに会いに来てくれたのが嬉しくて、帰って欲しくなくて、母の車のカギを隠してしまったのを覚えています。

母はとても綺麗で、若くて華やかでいつまでも見ていたくなるような素敵な女性でした。

生霊になって

小学生だった私は母が恋しすぎて、母に会いたくて、会いたくて、会いたくて…

無意識に生霊になって母に憑いていたそうです。

もしろん私に生霊となっていた自覚は、まったくありません。

母が20代の頃、友達が占い師さんにみてもらいたいと言うので付き添いで付いで行った時の話ですが、母は何も話さないのに「あなたの腰の所に小学生くらいの女の子の生霊が付いている」と言われたそうです。

母は子どもがいることを友達に隠していたので、ごまかすのが大変だったそうですが、占い師さんから見えた生霊は私の容姿そのものだったそうです。

そんな生霊時代(?)を過ごした私は、霊感がある人に見られたら生霊なのがバレてしまうのではないかとヒヤヒヤしたものです。実際に霊が見える仲の良い友達もいましたが、生霊になっている私は見えなかったようです。

大人になってから、TVで霊能者さんが「普通の人でも旅行で訪れたりして楽しかった場所へは魂を飛ばすことが出来る」と言っていたのを聞いて、私だけが生霊になってしまったのでは無いと知り安心しました。

承認欲求

そんな恋しくて愛されたくて仕方が無かった母との関係ですが、中学校の入学に合わせて転機を迎えます。

母が恋人と別れたので一緒に住めることになったのです。

母に褒められたい一心で、それまでは体育と図工以外はまったく勉強ができなかったのですが、お隣のお嬢さんと同じ高校に入ったら褒められると思ってひたすらに勉強しました。

負の連鎖

それまで祖母の家では学校の給食費が用意できない程の貧乏な生活だったので、これでやっと幸せになれると思ったのですが、お金はあっても子どもを育てたことのない母は中学生の3年間の間に1度もご飯を作ってくれることはありませんでした。

祖母はシングルマザーで、精神を病んでいる兄を溺愛し、妹である母は親戚に預けていたそうです。母も愛情のある家庭で育っていなかったために、育児と言うものがどんなものかわからなかったのです。

祖母は働いてお金を稼ぐのに精一杯で、食事は買ってきたものですませるのが当たり前だと思っていたのではないでしょうか。

負の連鎖です。

母の結婚

母との生活は3年間しか続きませんでした。高校入学に合わせて母が結婚して苗字が変わったり、離婚したりしてさんざん振り回されたので、大学進学を期に家を出ました。

おそらく母のことが恋しくて仕方なかったのは、母のことを良く知らない小学生の頃までだったと思います。

毒母

母は、男性に依存しやすくて、実の子どもよりも男性との生活を選ぶ人でした。男を見る目が無くてダメ男に惚れて騙されたり、不倫の常習犯。

私が母の交際相手から性被害にあっても、母は惚れた男と別れることができませんでした。大手企業に就職したと分かったとたんにお金の無心をして来たのでしばらく連絡を絶っていました。

結婚が決まった頃は本当に母のことが大っ嫌いでした。「せっかく大学まで行かせたのに元が取れない」と言われ結婚式の援助が無いどころか、高級家電をねだられました。

結婚相手に迷惑をかけたくなくて、絶縁したいとすら思っていたので、夫と母親のことで喧嘩になるたびに、「もっと親孝行してやれ」と言う夫に向かって「私は母に育てられていないから絶対に母の老後の面倒は見ない!」と泣きながら言っていたのを覚えています。

夫に母の本当の姿を話すのは恥だと感じていましたし、「自分は母のように男に依存するような女にはならない」と心に決めていました。

DV被害

ですが、母を結婚式に招待した時に母が交際相手の男から頬の骨が陥没する程のDVを受けていることを知り、少しずつ誤解が解けていきました。

実は母も男から逃げたい。でも、DVが酷くなるので逃げられずにいたのです。お金の無心も交際相手から言わされたものだと分かりました。

そして母のことを守る(夜逃げで逃がして匿う)ことにしました。

母のインナーチャイルドセラピー

母のことを受け入れるには、母自身にも大人になってもらわなくてはいけません。

母もシングルマザーの親に育てられていたのでアダルトチルドレンの自覚が無いまま成長して10代でシングルマザーになり、子育てが分からないから育児放棄をしてしまったのです。

アダルトチルドレンは、克服しない限り男に依存する人生を送り続けます。

アダルトチルドレンの自覚がない(本人に克服する気がない)母を変えるのは大変で20年ほどかかりました。

インナーチャイルドセラピーとは

アダルトチルドレンの治療は、子どものころの自分と対話をすることで、克服することが出来ます。

自分の親の人生を自分の人生に置き換えて辿ってみることも良いと思います。自分が親だったら、人生の節目でどう判断をしたのかを考えるのです。

母の人生が理解できて、子どもの頃の自分の気持ちが整理できて、やっと子どものままだった自分が大人になれた気がしました。

泣いていたインナーチャイルドが泣きやんでくれたのです。

ちなみにアダルトチルドレンが抜けると、人生がこんなにも楽しいものだったんだと気が付き、自分の人生を生きることができます。

以前だったら100歳になっても絶対に思わなかった「お母さん、産んでくれてありがとう」なんて気持ちが湧いてくるから不思議です。

セルフカウンセリングでしたので期間は半年くらいかかりましたが、今では近所に住む母と頻繁に行き来をして普通に仲良く話すことが出来ます。