傷付きたくないから引きこもる

多くのお母さんがよく誤解されているのですが、「子どもが引きこもっている原因は、家が好きだから」と言うのは誤りです。「お母さんが好きだから家にいる」と言うのも誤りです。

引きこもっている人は、社会に出て自分が傷つくのが怖いから家にいるのです。お母さんのことが嫌いだから、家庭環境に不満があるから、そんな自分に気付いて欲しくて家にいます。

昔の子どもには親に殴りかかるとか、物を投げつけて壁を壊すなどの反抗期がありましたが、現代の子どもたちにはほとんど見られません。

現代の子どもにだって社会や家庭環境に対する怒りの感情はあるはずなのですが、「暴れても無駄だから」と言って行動を起こさない。もしくは、「暴れるなんてダサい」と怒りの感情さえ湧かなくなっている子どももいます。

両親は優しくて、げんこつで頭を殴る雷おやじは姿を消し、まるで姉妹のように母親と娘の仲の良い家庭が多く、恋の相談や秘密は友達に打ち明けずに母親に話したり、大学の卒業旅行を友達とでは無く家族と行く学生もいます。

現代の子どもたちは、親の言付けを素直に聞き、親の勧める習い事を掛け持ちでこなし、親の勧める学習塾に通います。プロを目指してスポーツに励む子どももいます。子どもたちは、昔に比べれば子どもの習い事にかかる教育費が跳ね上がっていることを知っていて、両親に対して習い事をさせてもらえることを素直に感謝しています。

現代の子どもたちは優しい子が多く、親は教育熱心で、親子共に暴力を振るうようなことはありません。子どもは親の期待に応えようと頑張って大学受験をしますが、人を蹴落としてまで何が何でも有名大学に入ろうとするようなタイプは少なくなり、大学で自分にあった道を探そうとしています。

親が勧める大学に浪人をせずに現役で通い、親が喜ぶような企業に就職して、まさに親の敷いたレールの上を順調に走るのですが、就職後に初めて挫折を味わうことになります。

学生時代までは、親の喜ぶことやったり、親の勧めに従う「素直な良い子」を演じていれば良かったのが、就職して半年もすると何でも自分で考えなければならなくなります。

新入社員の頃は優しい上司だったとしても、半年、1年も経てばミスをしたりノルマを達成できなければ叱責される事があります。ところが、それまで順調に来た「育てやすい良い子」ほど、叱責されることに慣れていないのです。

学生時代に良い子や優等生だった人は、それまでは親から「あれをしなさい、これをしなさい」といった指示待ちの人生です。素直な良い子は、「言われたこと」は、そつなくこなせるのですが自分で考えて行動することは苦手です。

極端な人は、上司から「次は頑張りなさい」と言われたことを叱責されたと感じてしまったり、「いつまでも学生気分でいるんじゃない」と言われて、「この会社は自分には合いません」と言って退職(翌日から出社拒否)してしまった例もあります。

転職活動しようとしたけど「何となく面倒だから」と言う理由で転職活動をあきらめてニートを始める人や、何社か面接を受けたが上手くいかなくて自信を無くして引きこもってしまう人もいます。

素直な良い子なので、やはり心のどこかで親の期待に応えたいと言う思いが強く、インターネットでサラリーマンの数倍の収入を得られた等の記事を読んで「自分は起業が向いていそうだから」と思って情報商材の購入に大金をつぎ込んだが騙され、自信を無くして引きこもる人もいます。

優しい良い子だった人は、学生の頃からの指示待ちの癖が抜けていないので、インターネットの情報に振り回されやすい傾向があります。騙されたことを親に言えずに抱え込んでしまい、対処法をインターネットで調べてさらに借金を重ねてしまう人もいます。

インターネットには、「会社にしばられたくないなら起業すれば良い。サラリーマンの数倍も楽に稼げる」と言うような広告がたくさん出ています。ここでもまた、自分で考えずに他人が敷いたレールに乗ろうとしています。それに気付かずに指示された通りにやれば儲かると思っているのです。

何度も面接に落ち続ければ、自信が無くなるのも当然です。でも、引きこもりを続けていたら引きこもっている年数が長ければ長いほど、社会復帰は難しくなります。現在、61万人いる引きこもりの世代別では40代がピークです。

引きこもりの子どもが50歳になる頃に親は80歳になります。親の死亡などにより年金がなくなったら生活保護をあてにしている人が数十万人いたとしたら、全員を救う体力が日本に残っているでしょうか?

引きこもりは家が好きだから家にいるのではありません。傷付きたくないから引きこもっているのです。老後を考えて、安全な働き先を見つけて1日でも早い社会復帰をお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良い引きこもりと悪い引きこもり

お子さんが部屋に引きこもっていて学校に行っていない。話しかけても何の返事もしてくれない。話しかけると機嫌が悪くなるので、子どもの顔色を伺いながら親の方がコソコソと音を立てないように生活している。子どもと話が出来ないので、体の具合が良いのか悪いのかすら分からないというお話をよくお聞きします。

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引きこもりと自己愛性パーソナリティ障害

人格障害の中の1つに自己愛性パーソナリティ障害があります。長期の引きこもりの場合にうつ病と一緒に診断されることも多いと思います。

引きこもりと聞くと根暗な性格の人や、偏屈な性格の人で、他人と関わりを持ちたくないから部屋から1歩も出ない人をイメージされると思いますが、以前にブログでも書きましたが最近の引きこもり傾向は少し違います。

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引きこもりを外に出すきっかけ

引きこもっている人には、例えば職場でのパワハラやリストラ、学校での虐めなど、何か原因があって外敵から自分の体を守るために引きこもっている人。

学校で勉強するのが向いていないから退学したとか、職場の人と馴染めないから退職したなど、何となく生きるのが面倒になってしまって、自宅で小休止しているタイプの人がいると思います。

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引きこもりの原因

お子さんが突然、学校や会社を辞めて部屋に引きこもって出て来なくなってしまったとしたら、親御さんがどれほど心を痛めるか、うちの息子が引きこもった時のことを思い出せばとても良く分かります。

うちの息子の引きこもりは、職場の上司からの執拗なパワハラによるうつ病が原因したが、最近はうつ病が原因の引きこもりの方は少ないように思います。

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