大人の愛着障害

愛着形成期

乳児は母親からミルクやオムツなどのお世話をしてもらわないと生きていくことが出来ません。

生後まもなくから1歳半までくらいの乳児期は愛着形成期と言って、母親から十分な愛情を注がれて成長する時期です。

赤ちゃんが泣くとお母さんが駆けつけてきてくれる。「どうしたの?おなかがすいたの?オムツが濡れたの?」と話しかけてくれる。抱っこしてあやしてくれる。お世話してくれる。安心して寝る。起きたらまた泣いてお母さんを呼ぶ。この繰り返しで赤ちゃんは、自分のお世話をしてくれる人に依存することを覚えます。

赤ちゃんは、お母さんに依存をしなければ成長することが出来ないので、泣いて呼べば来てくれる人との間に信頼関係が生まれます。

この愛着形成期に何らかの理由で母親から十分に愛情を受ける事ができなかったのが愛着障害です。

幼稚園生頃に見つかる愛着障害

大抵の場合は、幼稚園に入る頃にお友達とケンカばかりしたり、先生を独り占めしたいなどのわがままやひつこい性格で大人を困らせたり(脱抑制型愛着障害)するので周囲の大人から注意されることで気が付きます。

兄弟が病気で母親が入院している兄弟の世話でかかりきりになっていて愛着形成ができなかった場合などは、親にわがままを言うことができずに育ち、お友達と遊んだり感情を表すことが苦手な(反応性愛着障害)ことから愛着障害があっても気付かれないことがあります。

大人になって見つかる愛着障害

社会人になってから対人関係が上手くいかないのでインターネットで調べるうちに、自分は愛着障害なのではないかと不安になるケースもあります。

安心していただきたいのですが、愛着障害は身体的な障害や薬を飲まなければならない病気などではありません。

子どもの頃から友達とケンカをすることが多かった人で、社会人になっても社内での対人関係が上手くいかず、仕事を続けるのが困難だったり、うつになって退職する人がいます。

自分が周囲の人とコミュニケーションが取れないのは、もしかしたら発達障害なのかも知れないと思い診断を受けたが、発達障害にはグレーゾーンでがっかりしたとおっしゃるかたも少なくはありません。

コミュニケーションが苦手なので社会人として仕事を続けることが困難で、自分は発達障害だと思うが、医師から発達障害の診断名がおりなかったのでがっかりしましたと言う人は、発達障害では無かったのだから喜ぶべきなのではないかと思うのですが本人の気持ちは違う様です。

発達障害と診断されて会社を辞めたい。退職する理由が欲しいから診断書が欲しい。そんな次の行動の指示待ちの性格の人に愛着障害の方が多いように感じます。

アルコール依存症やパーソナリティ障害などの疾患を抱えている人のお話しを聴くと、多くの人が子どもの頃に親がアルコール依存症で食事の世話などを十分にしてもらえずに愛着の形成が困難だったのが分かります。

対人関係において直ぐに怒り出してしまうなど感情をコントロールすることが難しかったり、仕事のことを考えただけでお腹を壊すような人も愛着障害なのかも知れません。

自分の子どもの頃を思い出すと辛くなって、自分の子どもを愛せないなどの困難を抱えているとしても、愛着形成がされなかった過去の原因を紐解くことで、(ほとんどの方がアダルトチルドレンの心理カウンセリングを受けることで)困難が解消されていきます。

大人になってから愛着障害が見つかっても、心理カウンセリングでどんなことに困難を感じているのかを探し出して、カウンセラーと一緒に対処法を考えて辛くなった時の対処法を繰り返して身につける(習慣化する)ことで長年困難に感じていた悩みが解決する場合がほとんどです。