「愛着」を持つこと

心理カウンセリングには、愛着障害という言葉が良く登場しますので、場合によっては「愛着」と「執着」を混同して「愛着を持つ」ことは良くないことのように感じている人が居るかもしれませんが、「愛着を持つ」のは良いことです。

アニメーションの中で、小さな子どもがお気に入りの毛布を引きずって「ママ?ママはどこ?」と言いながら目をこすりこすりベッドから起き出して来てママを探すシーンは、誰が見て愛おしく感じることでしょう。

子どもの中には、ふわふわのお気に入りの毛布がなかなか手放せないという子も多く見受けます。アニメーションの中の子どもにとっての毛布は、絶対手放したくないお気に入りの宝物で、これさえあれば落ち着く「愛着のある品物」です。

しかし、心理学でいう「愛着」とは、赤ちゃんの時期から子どもの時期に、ママに対して持つ情緒的な結びつきのことをさします。

「愛着」とは、赤ちゃんがママと情緒的な結びつきを持つことで、こころとからだの安全を守れる本能的な生きる知恵なのです。生まれたばかりの赤ちゃんでも、ママが自分のことをお世話してくれるように仕向けるための仕組みが出来ています。

女性が赤ちゃんの丸顔の輪郭や、テディベアのような頭が大きくて目がくりっとしていてフワフワな物を本能的に好む傾向があるのもこのためです。

たいていの子どもは幼児期に愛着関係をママとの間に築きます。愛着関係の中に愛着行動があって、乳児期の愛着行動は、ぐずって泣くなど、ママを呼んでお世話をしてほしい時にあり、赤ちゃん期の愛着行動には、ハイハイ時期の後追い、人見知りなどがあります。

愛着障害は、幼児期に児童虐待や育児放棄などで十分なお世話がされず、ママとの間に愛着行動が形成されなかった場合に起きます。

愛着障害のある子どもは、成長しても対人関係を築くことが困難になる傾向が強く、万引きや、援助交際などの問題行動を引き起こすことが多く、今や社会問題となりつつあります。

一昔前でしたら、夫婦の縁は切れても親子の縁は切れないものだと言われていましたが、最近では我が子でもしつけと称した児童虐待、親殺し、子殺しなどのニュースが後を絶ちません。

ワンオペ育児で産後うつになって誰も育児を代わってくれる人が居ない場合は、行政の家事代行サービスを利用するなどして愛着行動の形成時期を乗り越えていただきたいです。

イギリスの児童精神医学者のボウルビィ・エインズワースは、愛着とはある人と特定の他者との間の愛情の絆であり、「時空を超えて二人を結びつける」ものである。つまり、愛着とは、もしもその対象を失えば深い悲しみに襲われるに違いない関係であると述べています。

好きな人がいて、好きな物をとことん愛せるあなたは素晴らしい人だと思います。